

■おわりに
以前から環境問題をテーマとしたシミュレーションゲームを作りたいと考えていたが、このプログラムを作ってみて思ったことは、ちょっと欲張りすぎたということである。生態系(生物の多様性)の問題と川(水)の問題を取り上げたことによって、ゲームが少し複雑になり、視点がぼやけてしまったかもしれない。2つの問題を別々にして、単純化したものを作れば、テーマが鮮明になり、中学生にも理解しやすいだろう。将来は小学生にも楽しみながら理解できるプログラムを開発したい。
20世紀に入って特にこの後半の50年は、地球生態系に及ぼす人間生活の影響が顕著になってきた。このまま人類が現在の生活を続けていけば、地球の他の生物のみならず、人類への影響
も無視できないレベルとなる。21世紀を日則にして、我々がすべきことは今までの生活を見直し、地球生態系の一員としていかに生きて行くべきかを考えたライフスタイルを確立していくことである。
そんな中で、今後社会教育施設が担う役割は、ますます増大していくと思われる。これまでも体験教育を中心に据えて取り組んできたが、その中でも最重要課題の一つとして取り入れていかなければならないのは、野外での自然体験プログラムを中心にした環境教育プログラムを年代別(対象別)に数多く用意することである。利用者はそのプログラムを通して、自然とふれあい、理解することによって、楽しみながら自然環境と共生するための考え方を育てていくことができる。今後、全国の施設で研究開発し、互いに紹介する機会が必要だろう。
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